節約術

結局「稼ぐより節約」が勝つ|税金と社会保険の壁を越える思考法

はじめに|「もっと稼げば楽になる」と信じていたけれど

「もっと収入を増やせば、生活はラクになる」

そう信じて、一生懸命働いてきた。そんな人多いのではないでしょうか?

けれど現実はどうでしょう?

年収が上がっても、思ったほど手取りが増えないと感じたこと、ありませんか?

特に会社員の方!

実はその違和感、税金や社会保険料という“見えない壁”が原因かもしれません。

この記事では、年収と手取りの関係を掘り下げながら、

なぜ節約こそが“税金のかからない収入”なのか

そして、可処分所得を増やすために私たちができる現実的な戦略を解説します。


年収1000万円と1400万円、額面は大きくても手取りは?|働く意欲を削ぐ日本のシステム

仮に、独身・会社員・扶養なしという条件で、

年収1000万円と1400万円の人の手取りを比較してみましょう(概算):

年収手取り(目安)手取り率
1000万円約700万円約70%
1400万円約910万円約65%

差額は400万円。ですが、手取りの差はわずか約210万円ほど。

つまり、稼いだ400万円のうち、ほぼ半分が税金や社会保険料に消えているということになります。


なぜこれほど手取りが少なくなるのか?

主な理由はこの2つです:

1. 所得税は累進課税

年収が高くなるほど税率が上がり、1000万円を超える部分には33%以上の税率がかかります。

さらに住民税や復興特別所得税を加えると、実効税率は35〜45%に達することも。

▶︎ No.2260 所得税の税率|国税庁

2. 社会保険料も重い

健康保険、厚生年金、介護保険など、年100万円以上が天引きされるケースもあり、

年収が増えても「保険料の上限」に張り付いて、手取りは伸びにくい仕組みになっています。


働く意欲が薄れ、日本の頭脳層が離れていく懸念も

こうした仕組みによって、「頑張っても報われない社会」と感じてしまう人が増えています。

特に影響が大きいのは、年収1000万円〜1400万円のいわゆる日本の頭脳層です。

医師、弁護士、研究者、エンジニア、大手商社マン、外資系コンサルなど、

高い責任とプレッシャーに見合わない手取りを目の当たりにしたとき、次に出てくるのはこういった声です:

「このまま日本で働く意味があるのか?」

「海外に移ったほうが、収入も時間もバランスが取れるのでは?」

実際、近年は高スキル人材の国外流出が静かに進んでいます。

1989年の長期滞在・永住者は約58万人で,2023年は約130万人.

▶︎海外在留邦人数調査統計|外務省

すべての長期滞在者・永住者が該当するわけではありませんが、海外である程度の生活を営んでいくことのできる財力があることを考えれば、高所得者が占める割合は多いと思われます。

このまま高所得層を“贅沢税の対象”のように扱い続ければ、国全体の生産性・税収・技術力が低下していく可能性もあるのです。


節約は「税金のかからない収入」である

日本から優秀層が抜けていくリスクはさておき、

私たち一般層にとっての最大の関心事は「どうすれば手元にお金が残るか」です。

ここで注目したいのが「節約」という手段。

実は、節約には税金がかからないという“最強のメリット”があります。


節約3万円は、昇給5万円に匹敵する

たとえば、月3万円の節約をしたとしましょう。

年間で36万円が浮きます。

これを「手取り」で得ようとした場合、

仮に税率が30%とすると、以下の計算になります:

36万円 ÷ (1 – 0.3) = 約51.4万円

つまり、3万円の節約は、約5万円以上の昇給と同じ効果を持つんです。


節約のすごいところ

  • 所得税・住民税が一切かからない
  • 社会保険料も増えない
  • 誰にも取られず、100%自分のものになる

スキルを磨いて副業に挑戦するのも素晴らしいことです。

でもまずは、「節約というノーリスクな手段で可処分所得を増やす」ことの方が、手っ取り早くて確実なのです。


支出は、今日からでも変えられる

収入を増やすのは時間がかかります。

でも支出は、今日からでも変えられるんです。

たとえば:

  • 不要なサブスクの見直し(Netflix、Spotify、ジムなど)
  • 電力会社の切り替え(年間1〜2万円の差が出ることも)
  • ポイントサイト・楽天経済圏の活用で固定費を圧縮
  • 外食を1回減らすだけで、2,000円以上の節約に

こうした小さな見直しを積み重ねることで、

毎月数万円の“手取り増”と同じインパクトが生まれます。

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節約は“守り”じゃない、“未来への攻め”だ

節約って、どこか「我慢」や「貧しさ」と結びつけられがちですよね。

でも、今の日本において――

誰もが圧倒的な年収を得られるわけではない現実を考えると、

節約こそが、最も確実で再現性の高い“最適解”になり得ます。

そして、本当に意味のある節約は、“我慢”ではなく、

「未来を守るための、攻めの選択」なんです。

たとえば、

  • 浮いたお金を投資に回すことで、将来の資産を育てる
  • 生活防衛資金を早めに確保し、働き方の自由度を上げる
  • 無駄な出費を減らすことで、時間と心にゆとりが生まれる

お金が貯まり、選択肢が増えると、人生はどんどん軽やかになります。

だからこそ節約は、“地味な節制”ではなく、「自由への切符」なんです。


まとめ|可処分所得を増やすには、「守る力」が最優先

日本の制度は、「頑張って稼いだ人ほど、多く取られる」仕組みになっています。

でも日本に暮らしている限り、そのルールから逃れることはできません。

制度そのものを変える力があるなら別ですが、それは正直、現実的とは言えないでしょう。

だからこそ――

自分で“お金を守る力”を身につけることが、いま最も重要なんです。

そして、その第一歩が「節約」。

節約とは、

もっとも確実に手取りを増やす方法であり、

将来の投資資金を生み出す、人生を支える“土台”です。

Fukugrowでは、こうした「お金を守る力」と「お金を育てる力」の両方をテーマに情報を発信しています。

「頑張ってるのに、なぜかお金が残らない」

そんなふうに感じたことがある方は、まずは一度、支出の見直しから始めてみてください。

それが、あなたの未来に「選べる自由」をもたらす、最初の一歩になるはずです。

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