「節約のためにクーラーはなるべくつけないようにしてます」
…こういう声、毎年必ず耳にします。
でも、正直なところ、それって本当に節約になってるんでしょうか?
実は僕自身、エアコンを我慢して熱中症になったわけじゃないんですが、
過去に一度、炎天下でのスポーツ中に熱中症になった経験があります。
そのときは、急に強い頭痛がして、体がだるくて立ってるのもしんどかった。
病院には行かずに済ませたんですが、そこから5日間くらいずっと体調がすぐれなくて、生活の質(QOL)がガクッと落ちたんですよね。
その時に思ったのが、
「あ、熱中症って“その日だけの話”じゃないんだ」ということ。
たった一度の油断で、数日間ずっとしんどい。
予定も狂うし、何より毎日が全然楽しくないんです。
だからこそ思うんです。
「これがもし、エアコンをケチった結果だったら…?」と。
健康を削ってまで節約するのは、やっぱり違うなと痛感しました。
熱中症って、けっこうお金がかかる。いや、それどころじゃない
まず知っておいてほしいのが、熱中症って甘く見ちゃいけないってこと。
軽症で済めばまだいいけど、ひどくなるとこんな症状が出てきます。
- 激しい頭痛
- 吐き気やおう吐
- 倦怠感(体のだるさ)
- 意識がもうろうとする
ここまで進んでしまったら、自力で回復はほぼ無理。
すぐに病院に行かなきゃ、命に関わります。
というのも、水を飲もうとしても気持ち悪くて吐いてしまう…
自分ではどうにもできないレベルに達してしまうと、本当に怖いんです。
そして医療機関にかかれば、
- 初診料(病院によっては夜間加算も)
- 採血や点滴、場合によっては心電図やレントゲン
- 重症ならそのまま救急車で搬送、1泊以上の入院…
こういった処置が必要になって、平気で数万円、下手すれば10万円を超えることもあります。
でも、もっと怖いのは、お金の問題じゃない。
最悪の場合、本当に命を落とすこともあるんです。
毎年、熱中症による死亡者は何百人と出ています。
ニュースでは「○歳の男性が倒れて死亡」と、たった数行で片付けられてしまうけど、
その人にも家族がいて、やりたかったことがあって、いつも通りの夏を過ごしていたはずなんです。
「自分だけは大丈夫」って、誰もが思ってる。
でも、熱中症は、そんな油断を見逃してくれません。
そしてもし、自分や家族が命を落としてしまったら──
節約していた意味なんて、一瞬で消えてなくなります。
冷房をつけないことで、たしかに数百円は浮くかもしれない。
でもその代償が、健康や命だとしたら…それは本当に“節約”なんでしょうか?
命より高い節約なんて、存在しません。
▶︎ ”エアコンをつけていなかった” 高温多湿の室内で倒れた80代女性 富山県内で14人が熱中症搬送される | FNN
▶︎ 熱中症疑いで49歳男性死亡 栃木、室内エアコンは停止|山陽新聞
エアコンは実はそんなに高くない
じゃあ一方で、エアコンの電気代ってどれくらいかかるのか?
これ、機種や使い方によりますが、24時間つけっぱなしでも1日あたり300円程度です。
こまめに電源をオンオフする方が、逆に電力を食うので非効率。
つまり、「節約のつもりで切ってるけど、かえって損してる」ってパターン、意外と多いんです。
冷房代を1日300円と仮定して、1ヶ月毎日つけっぱなしにしても9,000円くらい。
これを高いと見るか、命を守る保険料と思うかは、考え方次第じゃないでしょうか。
実際に、空調メーカーのダイキンが公開している電気代比較の動画を見ると、
「つけっぱなしのほうが安く済むケース」があることが、わかりやすく紹介されています。
ぜひ一度チェックしてみてください。目からウロコです。
▶︎ エアコンをつけっぱなしにすると電気代は?損しない節電法!|ジャパネット
▶︎ mission5-1 「つけっぱなしがお得”という説は本当なのかを検証せよ!」| Daikin
まとめ|“がんばる節約”が逆効果なこともある
クーラーを我慢している人、家族に我慢させている人、その“がんばり”が命のリスクに変わるかもしれません。
「ほんの少しでも節約したい」
その気持ちはすごくわかります。
でも、体を壊してしまったら、回復にお金も時間もかかる。そのほうが、ずっと非効率です。
「エアコン=贅沢」じゃありません。この夏は、しっかり冷房をつけて、無理せず、元気に乗り越えましょう。
