副業で得たお金の活かし方

節約のしすぎは良くない?|失うものはお金だけじゃない

「節約=良いこと」と思い込んでいませんか?

支出を抑えるのは確かに大切です。

ただし、何でもかんでも「ケチればいい」と考えると、むしろ大切なものを失ってしまう場面があります。

節約は、短期的には安心感を与えてくれます。

ですが、「節約のしすぎ」は中長期的に時間健康判断力といった、『回復に時間を要し、場合によっては回復できないもの』を削っている可能性もあるのです。


節約のつもりが損をする実例

熱中症|“たった1日の節約”が高額の医療費に

みなさん、1日のエアコン代はどれぐらいかかっているか想像がつきますか?

1日8時間、エアコン(消費電力0.8kW)を使用した場合の電気代はなんと約192円です。

つまり、真夏に1日だけクーラーを使わない節約をしても、節約できるのはたったの200円未満です。

しかし、その結果として体温調節がうまくいかず、熱中症となり何も食べれなくなってしまい病院を受診することになったらどうなるでしょうか?

一般的には以下のような医療コストが発生します:

  • 初診料:約3,000円(病院や時間帯によっては1万円以上の病院も・・・)
  • 血液検査:2,000〜5,000円
  • 頭部または胸部CT:10,000円前後(特殊なCT検査だとより高額に・・・)
  • 点滴治療+半日〜1日の入院管理料:15,000〜30,000円

合計すると、保険適用後でも1〜2万円前後の自己負担になる可能性が高いです。

重症例では、脱水による腎機能障害・意識障害などでさらに検査・入院日数が増えるケースもあり、さらに自己負担額が増えていきます。

たった200円を惜しんだことが、2万円以上の出費と数日の体調不良につながることになりかねません。

夏場が近づいてきている今、エアコンを使わない節約はあまり得策とは言えません。


洗濯時間|安い洗濯機で毎週1時間ロス

私も大学生までは、一般的な縦型洗濯機+外干し/室内干し生活をしていました。

ただ、この作業って結構タイムロスですよね.

確かに、一般的な縦型洗濯機はドラム式洗濯機と比べて安価です。

しかし、「干さなきゃ」「洗濯が終わるまで外出できない」「雨が降ってきたから洗濯がダメになってしまった」など、選択よりも「干して乾かす」ということにストレスと感じるのではないでしょうか?

私としては、ドラム式洗濯乾燥機に変えてから、洗濯物を干す・取り込む時間がゼロになり、「時間の節約」はもちろん、「干さなきゃ…」という心理的ストレスもなくなりました。

これが毎日10〜15分の作業と考えると、毎週1〜2時間の時間となり、年間では約100時間にもなります。

ドラム式洗濯機を導入することで、時間が浮きかつ精神的なストレスからも解放されました。


食生活|安く済ませた結果、健康を損ねる原因にも!?

確かに、食費は毎日の出費であり、節約を意識した際に真っ先に削られがちな項目です。

しかし、節約のためにカップ麺や菓子パン、冷凍パスタなど、安価で調理も簡単な食品ばかりに頼ってしまうと、栄養バランスが偏り、長期的には生活習慣病や健康リスクの増加につながる可能性があります。

特に見落としがちなのが、ソーセージやハム、ベーコンといった加工食品です。手軽でコスパも良いため、節約メニューの定番になりがちですが、国際がん研究機関(IARC)はこれらの加工肉を「グループ1(発がん性がある)」に分類しています。

実際、加工肉を1日50g摂取すると、大腸がんのリスクが約18%高まるという報告もあります(Bouvard et al., The Lancet Oncology, 2015)。

もちろん、すぐに健康に影響が出るわけではありませんが、こうした食生活を長期間続けた結果、将来的に病気の発症や治療費、仕事を休むことによる損失などが発生する可能性もあります。

そう考えると、目先の“数千円の節約”が、後に大きな代償を伴うリスクにもなりかねません。


節約ではなく、「最小で最大を得る支出」を設計する

節約が悪いわけではありません。

問題は「目的を忘れて節約が目的化する」ことです。

  • ケチる行動:損したくないという感情ベース
  • 削る行動:将来を見据えた戦略ベース

私としては、以下の3つは基本的に削らない支出だと決めています:

  • 健康(食事・睡眠・気温調整)
  • 時間(効率化ツール、家電、自動化)
  • 判断力(集中力維持、疲労軽減)

これらは一度失うと取り戻すのに莫大なコストがかかる資源です。

「何を守るか」に注目して、お金の使い方を再設計することが必要です。


まとめ|“支出を削る”ことが目的化した瞬間、人は損をする

節約のしすぎは、「見えない損」が知らず知らずとあなたに降りかかっている可能性があります。

財布の支出は減った。でも体調を崩し、時間を奪われ、やりたかったことができない。

それは本当に「得をした」と言えるのでしょうか?

私がたどり着いた結論はシンプルです。

「ケチるな」と言いたいのではなく、「削る場所を間違えるな」ということです。

「お金を使わない」という美徳が、“選択肢を狭める足かせ”にならないよう、支出には目的と優先順位を持たせていきましょう。