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銀行預金って、ほんとに増えるの?|お金が2倍になるまでの年数と、ちょっと怖い話

ふと、こんな疑問が浮かんだことはありませんか?

会社員

銀行にお金を預けてるけど、これって何年くらいで2倍になるの?

なんとなく「複利で増えるらしい」って聞いたことはあるけど、実際のところどれくらいかかるのか、考えたことがある人は意外と少ないかもしれません。

今回はそんな素朴な疑問を、ちょっと真面目に計算してみましょう。

結論から言うと──軽く輪廻転生レベルの時間がかかります。

普通預金の金利って、どれくらいだっけ?

まず前提として、今の日本の銀行預金の金利はかなり低いです。

  • 普通預金:年0.1〜0.2%
  • 定期預金:ちょっと高くても年1.0%以下が多い

仮にここでは、金利0.2%(= 0.002)で計算してみます。

計算してみよう|2倍になるまでの年数は?

複利で資産が2倍になる条件は、こういう式で表せます:

(1 + r)^n = 2
  • r:金利(小数)
  • n:何年後に2倍になるか

この式、自然対数(ln)を使って変形するとこうなります:

n = \frac{\ln(2)}{\ln(1 + r)}

でもrがすごく小さいとき(0.2%とか)、

\ln(1 + r) = r

という近似が使えるので、最終的には:

n = \frac{\ln(2)}{r} = \frac{0.693}{0.002} = 346.5

……はい、何回輪廻転生すれば良いのでしょうか....

もはや、何回輪廻転生すればいいのかレベル

これは「現代人の平均寿命が80年」と仮定すると、4回以上生まれ変わる必要があるということになります。

しかもこれは「ただ2倍になるまで」の話です。

老後資金が必要な人が、30年とか40年とかで増やしたい場合には……ちょっと現実的じゃないですね。

インフレも考慮してみよう

ここでさらにやっかいなのが、インフレの存在です。

今の日本でも、物価上昇率(インフレ率)はだいたい年2〜3%ほど。

つまり、同じモノを買うのに、年々ちょっとずつ多くお金がかかるということですね。

これを式に反映させると:

(1 + r)^n \cdot (1 - s)^n = (1 + r - s)^n

  • s:インフレ率(小数)

rsの項(r × s)は非常に小さいので無視できます。

たとえば、金利0.2%でインフレ率2%なら:

1 + r - s = 1+0.002 - 0.02 = 0.982

つまり、実質的に毎年1.98%ずつお金の価値が減ってることになります。

仮に2000万円あったら、何年後どうなる?

では、もう少しリアルなケースで考えてみましょう。

例えばあなたが65歳で退職して、退職金2000万円を預金口座に預けたとします。

そのまま年0.2%の金利で寝かせていた場合、20年後にはいくらになっているでしょうか?

名目上はこうです:

2000 \cdot (1 + 0.002)^{20} = 2000 + 81

一方、インフレ率2%で物価が上がり続ける想定を加えると

先ほどの指揮から

2000 \cdot (0.982)^{20} = 1,390

つまり、「預金額はほとんど変わってない」のに、そのお金で買えるモノの量は3分の2に減っているということです。

もしインフレ率が5%だったら?

(0.952)^{20} = 0.358 \Rightarrow 750

実質価値は約750万円にまで目減り…

ちょっと怖くなってきませんか?

なぜ「預けっぱなし」がリスクなのか?

銀行にお金を預けると「安全」だと思われがちですが、実は“目減りしていく仕組み”が隠れている

金利よりもインフレ率のほうが高い状況では、お金は“静かに減っていく”

長く預けるほど、この差がボディブローのように効いてきます

もちろん、銀行預金には「元本が比較的保たれている」「流動性が高い」などのメリットもあります。でも、“資産を育てる場所”としては不向きなのが現実です。

じゃあ、どうすればいいの?

すぐにリスクを取って投資しましょう!とは言いません。

でも、「預けっぱなしにしておけばいい」は、現代ではもはやリスクになっているという意識は持っておいた方がいいと思います。

たとえば:

  • 少額から投資信託で「インデックス投資」を始めてみる
  • iDeCoやNISAなど、税制優遇制度を活用する
  • 国債や債券、定期的な配当を得られる資産を組み合わせる

など、少しずつ「お金の置き場所」を分散していくのがおすすめです。

おわりに|“やらないリスク”にも目を向けてみる

預金は悪ではありません。でも、増やしたい・守りたいと思うなら、「預けっぱなしにしておくことのリスク」にも目を向ける必要があります。

「知らなかった」では済まされない、そんな時代だからこそ、数字で現実を見ておくことが大切です。

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