副業ブログを始めようとすると、よく目にするのが「YMYL(ワイエムワイエル)」という言葉。
“Your Money or Your Life”の略語ですが、イメージがつきにくいですよね?
この記事では、
- YMYLって何なのか?
- なぜ初心者にはYMYL関連記事は向かないのか?
- やるならどう対策すればいいのか?
この3つをわかりやすく解説します。
あなたのブログが安全に、そして着実に伸びていくように、まずはYMYLの正体をしっかり理解しておきましょう!
YMYLとは?|“命やお金に関わるテーマ”
「YMYLって“Your Money or Your Life”の略らしいけど…結局どういうこと?」
ブログを始めたばかりの人にとっては、ちょっととっつきにくい言葉かもしれません。
でも、この単語の意味をちゃんと知っておくこと、実はブログを続ける上でめちゃくちゃ重要なんです。
YMYL=「人生やお金に関わる情報」
YMYLとは、ざっくり言うと「その情報が、人の人生やお金に大きな影響を与える可能性があるテーマ」のこと。
たとえばこんな話題が該当します:
- 医療や健康:「○○を飲んだらガンが治った」系
- 投資やお金:「この株に全ツッパすれば億れる」系
- 法律や教育:「遺言書の書き方」「子どもには中学受験させろ」系
こういうテーマって、読んだ人の判断に直結しますよね。
だからこそGoogleも「その情報、ほんとに正しいの?」ってめちゃくちゃ厳しく審査するんです。
書く側にも“重たい責任”がある
YMYLジャンルって、需要はめちゃくちゃあるんです。
みんなお金のことや健康のことに悩んでるし、検索されやすいのも間違いない。
だから、「ここを攻めれば稼げるかも…!」って考える人も多いんですよね。ぼくも最初はそう思いました。
でも冷静に考えてみてください。
たとえばあなたが「心の不調に効くサプリの話」をブログで紹介したとします。
それを信じて読者が本来の治療をやめてしまったら?
……そう、知らないうちに誰かの人生を狂わせてしまう可能性すらあるんです。
Googleが特別扱いするのは、そのリスクゆえ
だからGoogleは、YMYLジャンルに対してだけは“別モード”で検索評価をします。
しかもそれがめちゃくちゃ厳しい。
- 書いた人の専門性は?
- 情報の根拠はどこ?
- 信頼できるサイトから引用してる?
- 法律的に問題ない表現か?
……こうした要素を、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)という観点からガチガチに見られるんです。
「日記ブログなら評価されるのに、真面目に医療のこと書いたら全然上がらない」ってケースがあるのは、このせい。

だからこそ、“知らずに踏み込む”のが危険
繰り返しますが、YMYLがダメなんじゃありません。
むしろ、信頼ある人が発信すればめちゃくちゃ価値のあるジャンルです。
でも問題なのは、「YMYLって知らずに書いちゃった」ってパターン。
これが一番まずい。
だから、まずはこの章で「YMYLとは何なのか」をちゃんと理解することが、ブログの最初の一歩としてとても大切なんです。
[参考文献] 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 – Google for Developer
YMYLジャンルの具体例|“身近な話題”が地雷原だったりする
「YMYLって、“命やお金に関わるジャンル”ってことは分かったけど、
実際どんなテーマがそれにあたるの?」
──ここ、気になりますよね。
正直なところ、「え、それも!?」と驚くような、わたしたちの身近な話題がYMYLの対象になっていたりします。
この章では、ブログ初心者が特に注意すべきYMYLのジャンル例をわかりやすく紹介していきます。
健康・医療系|“検索されやすい”けど“扱いは超シビア”
たとえば「アレルギーに効くサプリ」「うつ病におすすめの食品」
──こんなテーマで記事を書いたこと、ありませんか?
でもそれ、YMYLのど真ん中です。
読者がその情報を信じて、本来の治療をやめてしまったら?
もしそれで体調が悪化したら?──もう“副業”の枠を超えていますよね。
だからGoogleは、このジャンルに対してめちゃくちゃ慎重。
検索結果の上位には、厚労省・大手病院・医師監修サイトしか出てきません。
初心者が書いた医療記事なんて、土俵にすら立てないのが現実です。
しかも内容によっては、日本の法律に違反している可能性すらあるんです。
たとえば、特定の健康食品や民間療法を「高血圧に効く」と断言してしまった場合、薬機法(旧・薬事法)に違反するおそれがあります。
こうしたリスクを理解せずに発信してしまうと、思わぬトラブルに発展することもあるため、「書きたい」という気持ちだけで安易に踏み込むのは非常に危険です。

お金・投資系|「稼げる!」と思ったら一番危ない
「このETFに投資して月5万円の不労所得!」
「この副業で月収50万!」──こういう話、よく見かけますよね。
でも実は、金融・投資・副業系の記事もバッチリYMYL対象なんです。
ちょっと言い回しを間違えると、金融商品取引法に違反するリスクも。
しかも検索上位は「マネーフォワード」「楽天証券」「証券会社のメディア」などの大手ばかり。
個人が入り込める余地、ほとんどありません。

法律・人生の選択系|“良かれと思って”が落とし穴
離婚、育児、相続など
こうした「人生の大きな決断に関わるテーマ」も、YMYLに該当します。
このジャンルが特に危険なのは、法律相談のように読める記述があったりすること。
資格がない人がこの法律相談のようなことを行うと、非弁行為(弁護士法違反)に当たる可能性があるとのことです。
善意で投稿者からの質問に答えたつもりでも、実はアウトだったなんてこともありえます...

「これなら自分にも書けそう」が、実は落とし穴かも
健康、投資、法律──いずれも、需要が大きくてアクセスも集まりやすいテーマです。
だから「自分もここを狙えば稼げそう」と思ってしまいがちなんですよね。
ぼくも最初はそうでした。
でも実際は、想像以上に厳しいルールやハードルが設定されたエリアだったんです。
なぜ初心者が手を出すと危険なのか?3つの大きな壁
ただYMYLジャンルって、正直いかにも「稼げそう」に見えますよね。
でも本音を言うと、初心者が手を出すにはあまりにもリスクが高すぎるジャンルなんです。
それを象徴するのが、次の3つの大きな壁。
ここを知らずに突っ込んでしまうと、時間も労力も報われない結果になりかねません。
① 検索上位に個人ブログがほぼ出てこない|時間の無駄になりやすい
まず、いきなり現実を突きつけると…
YMYLジャンルの検索上位って、個人ブログがほとんど存在していません。
たとえば「糖尿病 治療方法」「老後資金 準備」「鬱 治療方法」みたいな検索をしてみてください。

出てくるのは、厚労省、専門医療センター、医師監修メディア、金融庁、証券会社…といった完全なる“ガチ勢”ばかり。
もうこれは、初心者が竹やりでB-29を落とそうと頑張っているような状態です。
仮に頑張って100記事書いたとしても、誰の目にも触れない可能性が高いです。
──つまり、時間と労力の無駄になる危険性が極めて高いということです。
② E-E-A-Tが求められる|資格・体験・実績がないと信用されない
次にぶち当たるのが、「E-E-A-Tの壁」。
これはGoogleが評価基準として重視している4つの要素:
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
YMYLジャンルではこれが必須条件になります。
たとえば、「糖尿病に効いた食事法」を発信したいとして…
- 医師免許はありますか?
- 実際に患者さんを診た経験は?
- 論文やガイドラインに基づいた内容ですか?
……これらを満たしていなければ評価されない、というのが現実です。
「いや、自分は体験したことがあるから」と言っても、Googleの目線では「その体験を語る資格があるか?」まで問われます。
だから初心者が、体験も専門性も実績もなく踏み込むのは、まさに無謀な挑戦なのです。
③ 誤情報リスク|SEO評価が下がる・法律違反の可能性も
最後の壁は、“知らずにやらかす”リスク。
YMYLジャンルって、ちょっとした表現ミスが命取りになります。
- 「このサプリでうつが改善した」→ 薬機法違反の可能性
- 「この副業は絶対に稼げる」→ 景品表示法の対象に
- 「弁護士に頼らなくても離婚できる」→ 非弁行為と誤解されるリスク
しかもこれら、本人は悪気がなくてもアウトなんです。
違反だけでなく、検索エンジンの評価もがくんと下がります。
一度でも「誤情報を出すサイト」と判断されたら、ドメイン全体が順位落ちするなんてことも珍しくありません。
“知らなかった”じゃ済まない世界なんです。
それでもYMYLをやりたい人へ|現実的な対策と選択肢
ここまで読んで、「うわ、YMYLってめちゃくちゃ厳しい世界なんだな…」と感じた方、多いと思います。
正直、それは正しい判断です。
初心者が最初に手を出すジャンルではないし、稼げるどころか、ブログ人生が台無しになることだってあるんです。
でも中には、
「それでもどうしてもこのテーマで発信したい」
「この分野、自分の経験を通して伝えたいことがある」
そんな想いを持っている方もいるかもしれません。
家族の病気、自分の転職経験、お金に困った過去……誰かの役に立てるならと思って書きたい気持ちはすごくわかる。
だからこそ、本気でYMYLに挑むなら“最低限の対策”が必要です。
対策①|実体験を丁寧に伝える(=Experience)
まず最も重要なのは、「実体験に基づいていること」。
たとえば:
- 副業を始めて失敗した経験
- うつ病と診断されてから回復するまでの過程
- 家計を立て直した方法とその過程
──こうした内容を「N=1(自分だけの体験)」として、客観視しながら丁寧に書く。
そして必ず、「あくまで私の場合です」「参考にとどめてください」と注記する。
主観を排除するのではなく、主観であることを明確にすることが重要なんです。
対策②|信頼できる情報源を引用する(=Authoritativeness)
そして、一次体験+公的な情報源の組み合わせが鉄板です。
たとえば健康系なら:
- 厚生労働省の公式ページ
- 国立がんセンターの統計資料
- 医療機関の監修記事
投資系なら:
- 金融庁の啓発サイト
- 日銀や統計局のデータ
- 有名投資家や運用会社のインタビュー
……といった信頼度の高い情報を引用して補強することで、あなたの言葉に「裏付け」が生まれます。
間違っても、「Twitterで見た」「誰かが言ってた」みたいなあやふやな話で終わらせないこと。
“自分の体験”と“信頼できる根拠”がセットになって、初めて信頼される記事になります。
対策③|専門家の監修を受ける/“監修記事”として構成する(=Trustworthiness)
もし可能なら、専門家の監修を受けるのが最も安心です。
たとえば:
- 医師や薬剤師に内容を見てもらう
- 弁護士やFPと一緒に記事を作成する
こうした対応をとれば、信頼性(Trustworthiness)の観点からも評価されやすくなります。
また、監修が難しい場合でも、以下のような構成にすればリスクは減らせます:
【構成例】
① 自分の実体験
② その中で疑問に思ったこと
③ それを公的なサイトで調べた内容
④ 今後どうするか/読者への注意喚起
このように、「調べて、考えて、伝える」というプロセスを示せば、検索エンジンだけでなく読者からの信頼も得やすくなります。
YMYLに手を出すということは、
命や人生、お金に関わる情報を「誰かに伝える責任を持つ」ということです。
たとえ善意であっても、あなたの言葉が誰かの判断を左右し、
場合によっては“命に関わる選択”に影響する可能性もあるんです。
まとめ|最初のジャンル選びこそ、ブログの運命を決める
副業ブログをはじめるとき、「とにかくアクセスが集まりそうなテーマを選ぼう」と思いがちですよね。
でも、正直に言ってしまえば——
“最初にどのジャンルを選ぶか”で、そのブログの命運はほぼ決まります。
特にYMYLのような“リスク高&参入障壁がバカ高い”ジャンルを、何も知らずに選んでしまうと…
- そもそも読まれない
- 書いても書いても順位が上がらない
- 最悪の場合、法律やポリシーに引っかかる
そんな「時間と労力のムダ遣い」になってしまうことも。
そして、YMYLじゃなくても、十分に稼げるジャンルはあります。
たとえば:
- 節約・ポイ活
- 家事効率化・ライフハック
- ガジェットレビュー
- WordPressの使い方
- 日々の失敗からの学び
こういったテーマは、等身大の自分で勝負できるし、なにより「続けやすい」んです。
もちろん「それでもYMYLをやりたい」という人を止めるつもりはありません。
むしろ、それだけの情熱があるなら、応援したいと思っています。
でもその場合は、E-E-A-Tの考え方を理解して、
- 自分の体験を丁寧に言語化し
- 信頼できる情報源と組み合わせて
- 読者の人生に寄り添うような記事
を目指してほしいです。
YMYLは、ただ稼ぐためじゃなく、“誰かの大事な選択を支える”発信だからです。