副業って本当に「気軽に始められる」の?
ネットや書籍では「誰でも今すぐ始められる副業」といった言葉がよく目に入ります。確かに、スマホ1台で登録してすぐに始められるサービスも増えました。
しかし、実際に副業で成果を出すには、想像以上のエネルギーが必要です。
私としても、「とりあえずやってみようかな」と軽い気持ちで始めた副業が、いつしか「想定外に大変なもの」だと気づかされました。
今回は、自分の経験も踏まえて、なぜ副業が大変なのか解説していきます。
「会社員」の仕事は「用意された舞台」で動いている
会社に勤めていると、自分の業務内容はある程度決まっていて、商品やサービスはすでに誰かが用意してくれています。
すでに整えられた販売基盤・ブランド・信頼・取引先のもとで、私たちは「一部の工程を担う」ことで給料を得ているわけです。
つまり、会社員の仕事とは「役割をこなす」ことに集中できる、あらかじめ整った環境の中で働けるとも言えます。
商品開発や販売戦略といった“土台作り”の部分は、他の誰かが担ってくれている。
その上で、自分の業務に専念できるという点は、会社勤めならではの特徴です。
副業はゼロから“全部やる”世界
一方、副業となると話はまったく違います。
商品選定、集客、ブランディング、信頼構築、販売導線…あらゆる工程を、最初から最後まで自分一人で担う必要があります。
会社に例えるなら、副業は、まだ販売先も信頼もゼロの状態からスタートする“創業したばかりの会社”のようなものです。
実際、創業1年以内に約3〜4割の会社が廃業しているとも言われており、それだけ立ち上げから軌道に乗せるのは難しいということです。
副業には社員に給料を払ったり、オフィスを借りたりする必要はありませんが、それでも時間や労力が報われずに挫折する、いわば「心が折れて終わる」ようなパターンも少なくありません。
「副業で成果を出す」のは、“すごい”こと
だからこそ私は、「副業で月1万円の収入を得た」というだけでも、かなりすごいことだと思うようになりました。
ゼロから市場を分析して、商品やサービス、あるいは読者の興味を引く情報を選び、それを発信し、見ず知らずの誰かに読んでもらい、さらには購入までしてもらう。
この過程は、一朝一夕でできることではありません。
SNSでは「簡単に副業で月収10万円突破!」といった投稿がバズる時代ですが、その裏には相当な試行錯誤があるはずです。
「大変だからこそ」得られるものがある
もちろん、副業は大変です。
会社員とは違い、毎月の安定した給与もなければ、やっていることの正解も見えづらい。
でもその中で得られるのは、「自分で稼ぐ力」や「市場を見る目」、「自分の資源の棚卸し」といった力です。
私はこの経験が、これからの人生において大きな武器になると信じています。
副業は「修羅の道」。でも、やる価値がある
副業は、「会社の仕事」とは根本的に違います。
整備された道ではなく、地図のない道を歩くようなもの。
でもその分、自分で進む力も、選ぶ力も、磨かれていく。
「副業って大変そうだな」と感じている方へ。
その感覚は正しいです。
だからこそ、ちゃんと歩みを進めたら、その分「価値」も大きくなります。

